2007年、春。
子供達を実家の宮崎に預けて、初めての長い旅へ。あの春、家族それぞれが大きな挑戦をした。
私は二人の子どもたちを連れて、宮崎へ向かった。
春休みを利用して、実家の両親に子どもたちを預け、アメリカへ行くことにしたのだ。
それまで、子どもたちを誰かに預けることはほとんどなかった。
シングルマザーなので、当たり前に仕事場にも連れて行ったし、いつも一緒にいた。
そんな私にとって、長い間離れて過ごすのは初めてのことだった。
実は、両親とも長い間、距離があった。
友人の力を借りて、少しずつ会えるようにはなっていたものの、私の生き方を応援してもらえているとは思っていなかった。
お金にも余裕がなかった。
そんな中で、子どもたちを預けて自分だけ海外へ行くなんて。
きっと反対される。
そう思っていた。
それでも、どうしても行きたかったし、行かないという選択肢はなかった。
勇気を出して、両親にお願いした。
そして、子どもたちを預かってもらえることになったのだ。
「ああ、協力してくれるんだ。受け入れてもらえた。」
そう感じられたたことが、何より嬉しかった。
宮崎の空港で見送ってくれた娘は泣いていた。息子はどこかおどけて、寂しさを紛らわしているようだった。

その姿を見て、胸がキュッとなった。
けれど、不安よりも期待に胸が膨らんでいた。
「私の世界が狭いままだったら、子どもたちに見せてあげられる世界も、きっと狭いまま。
私が新しい世界を知ることは、いつか子どもたちの未来にきっともつながっていくはず。」
そう信じていた。
これは、私だけの挑戦じゃない。
子どもたちにとっても、おじいちゃん、おばあちゃんにとっても、初めての挑戦だったと思う。
そして実際、この時間を通して、子どもたちと祖父母の関係も変わっていった。
心配しながら、不安なまま、「ごめんね」と思いながら旅立つのではなく、
「ありがとう。行ってくるね。たくさんのものを見て、感じて、帰ってくるね。』
そんな気持ちだった。
寂しさもあった。
でも、それ以上に、新しい世界へ踏み出す喜びがあった。
私は宮崎から東京へ。
そして、New Yorkへと向かった。